処理手順と記憶
さらに教室のシミュレーションを続けます。次の式を解いてください。
これは高校数学の問題です。高校進学率がほぼ100%に達した日本ですが、みなさまにおかれましては無事解けましたでしょうか。数学で教わった記憶のない方でも、表計算ソフトをお使いの方はしょっちゅう目にしている記号だと思うのですが。
実はこれ、次のように解きます。
=1+2+3+4+5
では、次の答えは、、、
最初の「シグマ5」は解けなかったのに、今度の「シグマ6」は解けましたよね。何故でしょう。
解き方を教えてもらったのだから当然だ、、、その通りですね。
このことをコンピュータ的に解釈しますと、計算手順を入力すれば(わかれば)計算できる、手順が記憶になければ計算できない、となります。言われてみればあたりまえですね。
最初にみなさんに解いていただいた足し算や掛け算は、幼い頃から計算方法を知って日常生活で使用しているため、教えてもらった手順通りに計算しているという認識がないだけなのです。
さて、ここまでのことをまとめます。
「問題を正確に入力した上でその内容を正しく記憶し、あらかじめ記憶してある計算手順に従って、その計算過程をすべて記憶していかないと計算できない」となります。
ここで定義した「あらかじめ記憶してある計算手順」が重要です。コンピュータの世界ではこれを「プログラム」と呼んでいます。 コンサートやイベントのプログラムと同じです。まず何をやって、次に何をするか、、、その連続です。 あらかじめ設定した手順というほどの意味です。たった今みなさんは、∑つまり総和を求めるプログラムをみなさんの頭脳に記憶したのです。
一方、「正確に入力した上でその内容を正しく記憶し」た数値などは「データ」と解釈できます。つまりコンピュータを使って計算するには、データとプログラムが必要です。データを入力しなければ計算できないように、プログラムも入力しなければ実行できません。また、プログラムはもっと広い概念でとらえて「ソフトウェア」とも呼ばれます。
コンピュータの登場以来、ソフトがなければただの箱などと言われてきたものですが、ソフトウェアとは計算手順、ちょっと広い意味で情報の処理手順というほどの意味なのです。
ところで、データとプログラムの2つはどこにあるのでしょうか。なんとなくわかってきたと思われますが、実はメモリの中にあります。コンピュータのメモリは漢字で表現すると記憶装置です。そこにはプログラムとデータが記憶されています。繰り返しますが、コンピュータの記憶装置には、プログラムとデータが記憶されています。
CPUとメモリ、プログラムとデータの関係を図示すると次のようになります。下の四角がメモリ(主記憶)で、その一部をプログラムとデータが占めています。
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