人生の転機に出会ったニフティフォーラム
私は1990年代前半、教育関係のフォーラムで全国の有志と意見交換していました。インターネットが普及する前、パソコン通信全盛といえる時代です。
教育関係者は一家言持っている人が多く、フォーラムには連日、様々な意見がとびかっていました。1994年に愛知県で起きた大河内清輝君いじめ自殺事件については、特に熱い論議が展開されました。ある日、鋭い洞察力をもった方が、新たな視点で独自の意見を披露されました。その文章は当時の会員に相当なショックをもたらしました。非常に納得できる論理展開だったからです。この方の意見は、新聞・TV等の一般情報だけで考察されたものでしたが、マスコミで伝えられることはありませんでした。マスコミに出ない正論も存在していることを再認識させられました。というか、マスコミ報道の浅さが露呈されたといいましょうか。
こういった経緯のなかで、パソコン通信=文章による意見交換は、不特定多数の参加者に平等な機会を提供する最適なツールだと、個人的に確信しました。
・文章で自分の意見を述べる/アップする
・但し、アップする前にそれまでに寄せられたメッセージを全て読む
ルールはこの2つだけで、実にシンプルです。それこそ、寝る間も惜しんで文章の加筆、訂正、校正、その繰り返し。寝不足になりながら、電話代節約に知恵をしぼりつつ、お互いに健康を気遣い、教育関係の議論が熱く展開されました。当時のパソコン通信は、音声電話をつかっていましたので、従量制の通話料金だったからです。
大学への進学を機に東京で暮らし始め、そのまま首都圏の情報処理系会社に就職して約10年。家庭の都合でUターンし、教育の職につき、田舎暮らしを始めた直後のことでした。このフォーラムを通じた活動のおかげで、なんだか日本の教育界の最前線で活動しているような実感(錯覚?)をもてていました。
令和初頭の現在、ネットではYouTubeやTiktokなどの動画、インスタグラムのような画像主体の情報発信が優勢のようです。それに比べると、文字による情報発信&コミュニケーションは、今ひとつマイナーな感が否めません。しかし文章は昔も今も重要な自己表現ツールの1つ。文章を通じた真剣な意見交換の場は、精神の成長にも欠かせません。日本の国語文化向上のためにも、文章で大いに議論しましょう。
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