学問・資格

「論評する」とは?

大学生にしばしば課される「論評」について、わたしなりの考えをまとめてみました。ご意見、異論、歓迎です。

「論評」とは、字の通り、「論じて評すること」です。
辞書を引けば、「ある物事の内容・結果などを論じ、批評すること。また、その文章」等と書かれています。
「論ずる」には、出されたテーマに関してまず自分の主義主張とか意見があるということが前提になります。他者の論理の寄せ集めでは論評になりません。
また、主観的に一方的な意見を述べるだけでは「自己主張」にしかなりません。もう少し客観的で、第三者が納得できるよう論理展開された意見でなければなりません。
さらに、自分の主張に対する他者の意見・主張も加える必要があります。それには直接的なものも間接的なものもありえます。
その他者の論理が、自分の主張を「評価」し「肯定」するものであったり、逆にたりない点をつく「批評」であったり、真っ向から「否定」するものであったりもするわけです。
それらを包含して、自分の結論なり考え方をわかりやすく納得できるように示したものが「論評」です。

ということで論評するには、
・テーマに対して、自分の意見・論理・主張を持つことがまず必要
・そして同テーマに対し、他者の論理を広く知っている=認識していることが必要。
 それも自分の論理に対し、肯定的なもの、否定的なもの、その両方を。

大学等で「・・・について論評せよ」といった課題が出された場合、
・そのテーマについて、あなたはどの程度の認識をもっていますか?
・その認識の下、あなたはどのくらい文献調査や実地調査等をこれまでやってきていますか?
・あるいは日常生活のなかで、そのテーマに関しての「気付き」がどれだけありましたか?
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と、質問されていると思ってください。

論評の書き方自体は千差万別です。
最初に自分なりの結論を述べて、その裏付けを様々な文献を引用して書き加えていく方法でもよいでしょう。古典的な「起承転結」や「序破急」も参考にしてください。いずれにしても、「あなたが論評する」のですから、あなたらしい独自の視点・観点があってほしいものです。

例えば、「安楽死について論評せよ」という課題が出されたとします。自分は賛成なのか反対なのか、その理由は何、まずこれらの点は欠かせません。あなたの身近に高齢者や病弱な方がいるかどうかで、あなたの考え方も認識の深さもちがってくるでしょう。社会や時事的問題にどれだけの問題意識をもっているかで、論理の出発レベルがそもそも異なるでしょう。

自分の意見をまとめたうえで、現状の調査も必須です。短期にまとめるには、書物やネット、新聞、専門誌等の文献調査が多くなります。
・日本における賛否の意見はどうなっている?
 医学界は? 法曹界は? 政治家は? 一般の人の意見は? 高齢者は?
・安楽死に関係して過去にどのような事例が出てきているか? 事件の例や当事者家族の思いは?
・老衰以外の死因の現状は?
・安楽死を認めている国の現状はどうなっている?
 いつ認めたのか? その考え方や条件は?
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等々。ネットならば、様々なキーワードで検索ができて、しかも書籍も例示してもらえます。一般には、時間をかければそれだけ濃密な情報を得られるものです。
さらにもし可能ならば、アンケートなどの実践調査も裏付け資料として貴重です。あなたの論評の貴重な材料になりえるでしょう。但し、実施方法や対象者の選定、設問内容、量、タイミングなど、アンケート実施前の検討事項ですら、多すぎるくらいあるでしょうが。

いずれにせよ、説得力ある論評を仕上げるのは労力のいる作業です。それだけに、それを読んで評価する側の教授は、あなたが大学生の本分である学問に真摯に向き合っているか、その一端を知ることができるのです。

 

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